「抗菌薬と抗生物質」「健診と検診」…似ている医療用語の違いって?

日常生活で耳にする身近な医療用語ってたくさんありますよね。

似ているような単語でも意味が違ったりするので、「理解していたつもりなのに実は間違った知識だった」と知ったかぶりをして恥ずかしい思いをしたことが何度もあります。

今回は私自身がよく理解できてなかった「似ている医療用語」をいくつかピックアップして、その違いをまとめてみました。

知らなくても別に困らないけど、知っているとちょっと自信がつく知識。良かったら頭の片隅に留めておいてくださいね!

スポンサーリンク

「抗菌薬」「抗生物質」

私は最近まで抗菌薬と抗生物質は同じものだと思っていました。

どちらも「細菌や病原体を殺したり、増殖を抑える薬」という点では共通しています。その中でも微生物が作った化学物質を利用した薬を抗生物質と呼ぶそうです。

「抗菌薬」という大きな枠の中に、「抗生物質」というカテゴリーがある、というイメージです。しかし一般的にはどちらも同じ意味で使われていることが多いようです。

なんとなく「抗生物質」のほうが浸透しているので、抗菌薬でも抗生物質と言い換えて説明する医師もいるそうです。

抗菌薬も抗生物質も万能薬のように思われがちですが、細菌以外の病原体(ウイルス、真菌など)による感染症にはまったく効果がありません。

効果が高いぶん副作用が大きく、体に必要な常在菌まで殺してしまうデメリットもあります。

これまで抗生物質の乱用により耐性菌を生み出してきた歴史があり、現在は「安易な使用を控えよう」という風潮があります。ぜひこちらの記事も読んでくださいね。

「ウイルス」「細菌」「真菌」

これも分かるようで違いが分からなかった言葉ですが、引き起こす病気も効果がある薬もそれぞれまったく違うんです。

・ウイルスは細胞を持たず、単独では増殖できません。人や動物の細胞に寄生して増えていきます。

・細菌は1つの細胞を持っています。細胞核がないため細胞の中にむき出しの状態でDNAが存在する「原核生物」です。細胞分裂をしながら自力で増殖していきます。

・真菌は簡単に言うとカビです。細胞が原核生物であるのに対し、細胞核と細胞物質が明確に分かれている「真核生物」と呼ばれます。菌糸を伸ばしたり枝分かれさせたりしながら増えていきます。

大きさは「真菌>細菌>ウイルス」です。ウイルスや細菌が引き起こす主な病気や治療法について、こちらの記事で詳しく紹介しています。

「副反応」「副作用」

最近は薬や予防接種が引き起こす身体反応のことを「副反応」と呼んでいますね。10年ほど前までは「副作用」という言葉が一般的でしたが、何か違いがあるのでしょうか。

調べてみたところ、医療現場では使い分けによる意味の違いはないようです。副作用というより副反応といったほうが印象がいいので、ワクチン業界で使われるようになったといいます。

予防接種ワクチンの副反応や「有害物質が入っている」という噂についてまとめた記事はこちらです。

「健診」「検診」

「健診」と「検診」。どちらもおなじ「けんしん」と読みますね。

健診は「健康診断」の略称です。健康状態を大まかに調べるための物で、身長・体重・血圧など一般的な項目を異常がないかチェックします。妊婦健診もこちらですね。

一方、検診は個別の部位で特定の病気を早期発見するための検査。「胃がん検診」「乳がん検診」など細分化されています。

健診で一次予防をして、疑わしい部位があれば検診で二次予防をする、というのが理想的です。

用語を知ると深まる理解

本当に身近な言葉ばかりなので、既に知っている人にとっては「そんなの常識だよ!」と思われたかもしれません(^^;)

私の場合、うろ覚えの知識が多いので、こうやって記事のためにリサーチする事が良い勉強になりました。

用語を正しく知っていれば、お医者さんの話もより理解できますよね。

秋も深まってきた今日この頃。体調管理にはお気をつけてお過ごしください。

風邪予防には「20分に1回お茶を飲む」という方法が効果的だそうですよ(^^)

スポンサーリンク