脳動脈瘤の治療体験①麻酔の注意点。コイル塞栓術なら全身?局所?

今回はわたし自身の手術体験記です。

長年の持病だった脳動脈瘤をついについに!治療しました~(^^)

足の血管からカテーテルを入れて瘤を埋める「コイル塞栓術」というものです。7日間の入院を経て、今は日常生活に戻ることができました

手術自体は開頭手術に比べると大きなものではないのですが、「全身麻酔での手術」「まだ小さい子ども2人と離れて入院」など私にとってはハードルが高く…

それでも「健康に長生きしたい!」という思いで治療に踏み切りました。

同じ病気で不安に思っている方の参考になるように、数回に分けて治療の詳細を記します。

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脳動脈瘤の詳細

私の脳動脈瘤は縦5.2ミリ、横4ミリ。「左内径動脈」という左目の奥にあります。左目の奥あたりで、目の血管の近くだそうです。

発見したのは32歳の時。軽い気持ちで受けた脳ドックのMRI検査で見つかったのです。「脳ドック行ってみたら?」と薦めてくれた夫には心から感謝!

「要精密検査」の結果と紹介状を持って受診した大学病院の脳神経外科では「緊急性がないので経過観察で」とのこと。その後は半年に一度のMRI検査をして経過を見てきました。

しかし3月に受けたMRI検査で瘤が少し増大していることが分かりました。第2子の出産をはさんだのでおよそ1年ぶりの検査で縦に0.5ミリ大きくなっていたのです…

これからも少しずつ大きくなる可能性が高くなってきました。5ミリを超えると治療を検討したほうがいいそうです。

万が一、破裂するとくも膜下出血となってしまいます。くも膜下出血は発症してしまうと・死亡1/3・後遺症が残る人1/3・以前と変わりなく生活できる人1/3…という致死率の高い恐ろしい病気です。

いつ発症するかわからない状況で暮らすことは大変な恐怖です…これはもう思い切って治療するしかない!5月の外来日に医師と相談しながら2カ月後にコイル塞栓術での治療を行うことにしました。

MRI検査については以前の記事をお読みください。最近のMRIはなかなか快適です!安心して暮らすためにも一度、脳ドックを受けてみてはいかがでしょうか(^^)

コイル塞栓術=カテーテル手術

「コイル塞栓術」という名称より「カテーテル手術」と言ったほうが分かりやすいのではないでしょうか。

右脚の付け根の動脈から直径2.5ミリの管を挿入して頭部まで進めた後、管の中からさらに細い直径1ミリのマイクロカテーテルを出し、瘤の中に押し込んで埋めてしまいます。

医師は血管や内部の様子を把握するために、X線画像を見ながら治療を行うそうです。そのため、通常の手術室ではなく「透視室」という場所で行われました。

脚から頭までカテーテルが届くなんてすごい…。ミリ単位の手技が必要なので医師も大変だそうです。今回は入室から終了まで麻酔にかけた時間も合わせて約5時間かかりました。

全身麻酔?それとも局所麻酔?

事前に「全身麻酔にしますか?局所麻酔にしますか?」と希望をきかれました。えっ局所麻酔でいいの!?

どうやら血管や動脈瘤はカテーテルが通ったり触れたりしても痛さを感じないそうです。管を入れる右脚にだけ麻酔をすれば、あとは痛みや違和感はないとのこと。

しかしながら4~5時間を予定している手術を仰向けで動かないのは体がきつい…精神的にもきつい…

全身麻酔と局所麻酔にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

全身麻酔のメリット
・患者は眠っている間に手術が済む
・精神的苦痛を和らげることができる
・医師が手術のみに集中できる←患者の意識があると不用意な発言はできず、結構やりづらいそうです(^^;)
全身麻酔のデメリット
・呼吸が止まってしまうので、気管挿管して呼吸器をつける必要がある。のどが痛くなる
・麻酔によるアレルギーを発症する人もいる
・覚めた後に強い吐き気などを伴う場合がある
局所麻酔のメリット
・体への負担が格段に少ない
・何か異変があった際に口頭で意思を伝えることができる
局所麻酔のデメリット
・精神的負担が大きい
・仰向けで長時間同じ姿勢でいなくてはならない
・局所麻酔をした患部以外への処置に対する痛みは感じる←連続的に血圧を測るため手首の動脈を穿刺する処置は結構痛いらしいです。全身麻酔なら寝ているうちに刺してくれるので痛くない!

熟考して選択した全身麻酔

両方のメリット・デメリットを考えた上で、今回は全身麻酔を選択しました。私が受けた全身麻酔はプロポフォールを点滴を通じて投与する静脈麻酔です。

体への負担はかかってしまいますが、手術中に意識があるのは精神的に耐えられる自信がありませんでした(^^;)私の場合は全身麻酔にして良かった!と思います。

逆に「眠ってしまうのが怖いから局所麻酔にしたい」という方もいるそうなので、ご自身でよく考えてみるのが大切ですね。

次回は手術前の検査や手術後の経過について時系列でご紹介したいと思います!

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