119番通報の手順と前後に取るべき行動。費用が自己負担のケースも

2018年5月25日

これまで119番など緊急通報をしたことはありますか?

私は空き巣被害に遭った時に110番通報をしたことがありますが、パニック状態で聞かれたことにうまく答えられず手間取ってしまいました。

特に119番通報の場合は1秒でも早く救急車が到着するために、通報時の情報伝達はスムーズに行いたいですよね。事前に「どんな情報を聞かれるのか」「通報前後はどんな行動を取るべきなのか」を知って万が一の事態に備えましょう。

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緊急通報の流れを知ろう

それでは緊急通報の流れを時系列で見ていきましょう。

【事故、急病が発生】まず状況を把握

家の中や屋外などさまざまな場面で突然に起こります。救助対象者を冷静に観察して、できるだけ詳しく状況を把握しましょう。以下の要素がある場合は通報すべき事案である確率が高いです。

・意識がない・呼吸をしていない、または困難・心臓が動いていない・大量に出血している・けがが広範囲・けいれんがある・吐血している

【119番通報】固定電話の子機を使うとスムーズ

固定電話でも携帯電話でも局番なしの「119」をダイヤルします。ベストは固定電話の子機。番号を元にだいたいの場所を特定できますし、応急処置を続けられるのでスムーズです。

携帯電話からかける場合は通報地点を管轄しない消防本部につながり、途中で転送される場合もあります。時間がかかっても焦らず冷静に待ちましょう。

・通報できる人が2人以上…1人が応急処置、1人が通報というように役割分担します。もし公共の場で大勢がいる場合は「黒い服を着た男性のあなた、通報お願いします」というように名指しすると通報が重複することがなく混乱を避けられます。

・通報できる人が1人…もし家庭であなたしかそばにいなかった場合、応急処置と通報のどちらを優先させるか悩むと思います。できれば固定電話の子機や携帯電話で処置しながら通報します。

もしその場を離れないと通報できない状況の場合は初めの2分を処置にあて、急いで通報してまた処置に戻りましょう。

ただし心肺停止している場合は通報中に救命処置を止めるのは命取りなので、状況が改善するまで心臓マッサージや人工呼吸などを優先してください。

【情報を伝える】聞かれたことのみに答える

情報を伝えるときに気を付けるのは「聞かれたことに答えること」。一方的に要件を伝えると救急車の手配に必要な情報収集に時間がかかってしまいます。

電話がつながると「火事ですか?救急ですか?」と聞かれるので「救急です」と答えます。

続いて詳しい住所を聞かれたら、市町村から答えてください。もし出先で住所が分からない場合は、電柱に書いてある地番、通りの名前、近くにある建物やお店の名前などが目印になります。近くにいる人に聞くのも良いです。

「どうしましたか」と尋ねられたら①誰(年齢、性別)が②どんな状況か(けがや病気の状態、意識の有無、呼吸の有無)を簡潔に伝えます。

持病の有無、飲んでいる薬などもあれば聞かれる可能性があるので、家族や友人の場合は普段から把握しておくといざという時に安心です。最後に通報者の名前と電話番号を伝えます。

【到着まで】応急処置を続け、救急車を誘導

救急車が到着するまで応急処置は続けてください。119番通報の電話で具体的な処置の指示があったら従いましょう。

・通報できる人が2人以上…1人が応急処置を続けている間、もう1人はサイレンが聞こえたら外に出て救急車を誘導しましょう。

・通報できる人が1人…こちらも可能な限りサイレンが聞こえたら外に出て救急車を誘導します。しかし心肺停止など深刻な状態の場合は救命処置を優先します。

できたら用意しておきたい入院用品

もし余裕があれば、入院に備え必要な持ち物を準備しましょう。

傷病者の保険証、着替え一式、履物、現金(帰りの交通費や入院品購入などに必須)を持っていくと役立ちます。

救急車要請は年間600万件以上

上記のような流れが理想的です。通報者もパニックになってしまいますが、イメージトレーニングをしておいていざという時に冷静に対処しましょう。

救急車要請件数は年々増えており、総務省消防庁が公表した「平成28年の救急出動件数等(速報値)」によると全国で621万82件。これは前年より15万件以上増えて過去最多となっているそうです。

中にはあきらかに軽傷での搬送要請や「サイレンを鳴らさないで」「帰りも送って」など度を越した要望もあるそう。本当に救急車を必要とする重病者を搬送する妨げになってしまう恐れがあります。

「特定療養費」を加算する医療機関も

救急車の使用に対して「特定療養費」を加算するという取り組みを実施している病院もあります。これは「救急搬送の必要がなかった」というケースに適用されて料金を支払うことになります。

日本は基本的に救急車の利用が無料という世界でもまれな優しい国。最近になって有料化が議論されていますが、私は本当に必要な時に使えるなら有料でも構わないと思います!

ちなみにオーストラリア人の英語の先生によると、「オーストラリアでは救急車を1回呼ぶと10万円かかる。だからみんなドバドバ血を流しても歩いて病院に行くよ」とのこと(^^;)

日本では10万円ということはないでしょうが、救急搬送の人件費や機材費などに5万円前後かかることを考えると、それなりの自己負担は仕方がない気がします。

迷った時は電話相談を活用

「救急車を呼ぶべきか?」と迷うケースは下記の電話相談を利用しましょう。医師や看護師が対応してくれます。自治体によって開設の有無や時間帯が違うので、事前に一度チェックしてくださいね。

「救急相談センター」(#7119)

「小児救急電話相談」(#8000)

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