【簡単】初心者向け心肺蘇生法のポイント3つ!効果的な胸骨圧迫がカギ
もし家族が事故や急病で心肺停止の状態になってしまったら。そしてその場にあなたしかいなかったら。
大切な命を守るためには1秒も無駄にできません。すぐに心肺蘇生法を施す必要があります。
でも心肺蘇生法ってすごく難しそうですよね。私は「1分間に100回胸を押す」とか「50回押したら2回人工呼吸をして…」とか、パニック状態の中で実行できる自信がありません。
そこで今回は医学になじみがない方でもとっさに実施できるよう、「これだけは最低限覚えて!」という簡易版の心肺蘇生法をまとめました。
外科医の夫からアドバイスをもらいつつ、できるだけ要点を絞りました。万が一の事態に備えてぜひ心にとめておいてください。。
ポイント①胸骨圧迫だけでよい
心肺蘇生法と聞いてすぐに思い浮かぶのは「胸骨圧迫」と「人工呼吸」の2つではないでしょうか。
胸骨圧迫は昔は「心臓マッサージ」とも呼ばれました。10年ほど前から「胸骨圧迫」という呼び方が主流となっています。胸骨圧迫をすることで脳と心臓に最低限の血流が確保できます。
一般市民が救命措置をする場合、「人工呼吸よりも胸骨圧迫を優先させるほうが救命率が上がる」という考え方があるそうです。
「人工呼吸が不要」ではない
誤解してはいけないのは「人工呼吸が不要なのではない」ということ。
人工呼吸はコツがいるので、慣れていない一般人が実施しても十分な空気を送り込むことができないケースが多いんだとか。
「不完全な人工呼吸をして手を止めるよりは胸骨圧迫し続けよう」という意味なんです。
さらに倒れているのが家族ではなくよく知らない人だった場合、口をつける人工呼吸は少なからずためらいが生まれ、それが時間のロスにつながります。何らかの感染症が経口感染する危険性もゼロではありません。
心肺蘇生法に慣れていない場合は、胸骨圧迫に専念することが救命の近道です。
ポイント②迷ったらとりあえず胸骨圧迫
一般人にとっては倒れた人が「呼吸をしているか」「脈拍があるか」を見極めるのは困難です。
胸が動いている、息遣いが聞こえる…などを確認できれば呼吸している確率が高いです。しかし心停止後にあえぐように呼吸している「死戦期呼吸」という物もあります。
呼吸や脈拍に少しでも異常を感じたり、そもそも確認できなかった場合、「迷ったらとりあえず胸骨圧迫」を実行しましょう。
心停止していない場合でも問題なし
「心停止していない場合でも胸骨圧迫をしていいの?」と疑問に思われるかもしれません。答えは「大丈夫です」!
血流に悪影響が及ぶことはありませんし、もし心停止でない場合は手足など体のどこかの部位が動く可能性が高いので、すぐに圧迫を止めれば問題ありません。
ポイント③アンパンマンの曲のリズムで
胸骨圧迫をする際の基本は「強く、絶え間なく、リズミカルに」。とにかく休みなく胸の真ん中を押し続けます。
押す強さは「成人の場合、胸が5cm沈む程度」など推奨されている数値はありますが、細かいことは考えず「真下に力いっぱい押す」という感覚で大丈夫です。
理想とされる押すスピードは「1分間に100回程度」だそうです。ちょっと分かりづらいですよね。
そんな時は「アンパンマンのマーチ」のリズムに乗せて押すとぴったりなんです。あの有名なオープニングテーマですね(^^)
「緊急時なのにアニメ!?」と思われるかもしれませんが、パニックになると「何をすべきか」という冷静な思考がすっ飛んでしまうものです。
「心停止かも=アンパンマン=胸骨圧迫」ということを思い出してもらえれば、落ち着いて処置を行う助けになるかもしれません。
具体的な心肺蘇生法
以上のポイントを踏まえ、具体的な心肺蘇生方法を見ていきましょう。
傷病者が心停止の疑いがあったり、呼吸に異常があったりした場合、すぐに胸骨圧迫を施します。手順はたったの5つ!
①床や畳など固い場所に仰向けにする
②押す場所は胸の真ん中、乳頭を結んだラインのちょうど中間あたり
③片方の手のひらの手首に近い部分を胸の真ん中に置き、反対の手を上に組む
④「アンパンマンのマーチ」のリズムで、両手で真下に強く押す
幼児や乳児の場合は胸を押す際の強さが変わります。他の手順は成人の場合と一緒です。
【1~8歳くらい】体格に合わせて、両手または片手で胸の真ん中を押す
【1歳未満】中指と薬指の2本で胸の真ん中を押す
⑤人工呼吸はせず、絶え間なく押し続ける
「これなら何とか実行できそう!」と勇気がわいてきませんか?
圧迫しているとかなり疲れるので、もし動ける人が複数いる場合は2分を目安に交代するのがおすすめです。救助者が1人しかいない時は、疲れても決して手を休めず救助が来るまで頑張ってください!
ベストな救命方法は講習会で確認
今回は簡易版の心肺蘇生法をご紹介しました。最低限の手順は押さえていますが、決してベストな処置法ではありません。
きちんと技術があるならばもちろん人工呼吸を施したほうがいいですし、押す強さも推奨されている数値を守ったほうが効果的です。また、AEDを活用するとさらに処置の幅が広がります。
「BLS 講習」などと検索すると、たくさんの情報がヒットします。BLSとは一時救命処置を意味するBasic Life Support(べーシックライフサポート)の略称です。
ぜひ家族みんなで最寄りの講習会に参加して、しっかり知識と技術を身につけましょう。
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