子どもがお風呂で溺れたら。水は吐かせるべき?予防対策と処置法
子どもの死亡事故で上位に入るのが「溺水」。しかも海やプール以上に自宅の浴室で起こることが多いと言います。
気を付けていても、親がほんの少し目を離した一瞬でもし子供が溺れてしまったら…
例えば「水を吐かせる」という対処法がまっさきに頭に浮かぶかもしれませんが、これは適切でしょうか?
正しい救命方法を知っておけば、いざという時に大切な子どもの命を救える可能性が高まります。大人の対処法も共通するところが多いので、ぜひチェックしてください。
事故予防に知っておきたい2点
溺水事故を防ぐために、2つのことを改めて認識しましょう。
まず「子どもは2~3cmの水位で溺れる」ということ。ほとんどお湯が入っていない浴槽でも、誤ってうつぶせに転んだりしたらもう溺れてしまいます。
そして「音もなく静かに溺れる」ということ。映画やドラマでは溺れた人はバシャバシャともがきながら「助けてー」と叫んでいますよね。
ところが実際には何が起こったか分からないまま、声も上げずもがくこともせず、目を開けたまま沈んでいくそうです。
親が一緒にお風呂に入っていても、ほんの数十秒髪を洗って目を離していた隙に溺れた例もあります。
家で日頃から実践できる対策
以下のような対策を普段からしっかり講じます。
- お風呂場のドアはしっかり閉める
- 使わない時に浴槽のお湯は抜く
- 浴槽に入る時は必ず親と一緒に
溺水は命の危険が高く、救命できても重大な後遺症が残る恐れがあります。気を付けすぎなくらい注意しましょう。
事故が起こったら…迅速な対応がカギ
それでも不慮の事故が起こってしまった時は迅速な対応がカギ。ここからは大人が溺れた場合も一緒です。
浴槽から引き上げる
まずは浴槽から引き上げますが、このとき頭が胸より下になるようにします。
もし重くて引き上げられないときは、仰向けなど呼吸できる状態にしながら浴槽の栓を抜いて、浴槽の中で応急処置をしましょう。
濡れた体が冷えてしまうので、バスタオルや毛布などを掛けます。
意識と呼吸の有無を確認
① 意識があるか②呼吸しているか、を確認します。
【意識があるか】大きな声で呼び掛けたり、足の裏をたたいたりします。体を揺さぶってはいけません。ここで反応があればまずは一安心。意識がはっきりしているなら体を拭いて落ち着かせてから念のため医療機関を受診しましょう。
【 呼吸しているか】呼吸を確認するには口元に耳を寄せたり、胸の上下を見ます。10秒以内で全神経を集中させて判断してください。
もし意識がなく、呼吸がない場合は心停止の可能性があります。すぐに心肺蘇生法=胸骨圧迫を施しましょう。
呼吸しているかどうかが不明で心停止か迷った場合も心肺蘇生法を実施するのがおすすめです。
水を吐かせる必要はない
やりがちな「水を吐かせる」という対処法は、吐いた水が気道に入ってしまう恐れがあります。それに吐かせることに気を取られて時間をロスしてしまうと救命処置が遅れてしまうかもしれません。
水を吐かせるよりも先にとにかく胸骨圧迫です。
できるだけ早く119番通報をしなくてはなりませんが、もし電話が遠くにあって処置を中断しなければならない時は、「2分間救命処置をしてから119番通報」しましょう。
その後すぐに処置に戻り、意識と呼吸が戻るまで続けます。
家族みんなで救命の手順を確認
呼吸が止まってしまった場合の処置はスピードが命。1秒でも早く適切な対応をとりましょう。心肺蘇生法は分かったつもりでも焦った時には手順を忘れてしまいます。
万が一の時に備えて、家族みんなで溺水事故の対応や心肺蘇生法について確認してみてくださいね!
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません