熱中症の予防と応急処置。日差しがなくても湿度に注意!

今年は記録的な猛暑となっていますね。最高気温が40度を超える地域もあり、暑さが原因で亡くなる方も出てきてしまいました。

死亡原因となったのは「熱中症」。体温が上がりすぎることで体内の水分や塩分のバランスが崩れて、頭痛、めまい、しびれ、意識混濁など様々な不調をきたす病気です。重症化すると死に至るケースも。

消防庁の統計によると、7月9日~15日までの1週間でなんと9956人が熱中症のために救急搬送されています。

「今日は日差しが強くないから大丈夫」と安心はできません。熱中症になる時は、気温だけではなく湿度も大きく影響するんです。

湿度が高い時に熱中症になりやすい理由や、予防対策と応急処置をまとめました。

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体温を下げる汗の役割

汗をかくという現象はとても効率的に体温を下げることができます。

人間が長時間行動できるのは、汗をかく機能があるからといっても過言ではありません。動物の中でも発汗できるのは、馬や犬、猫など一部の哺乳類に限られているそうです。

液体である汗が蒸発する際に、皮膚から「気化熱」を奪うことで体が冷やされます。お風呂上りなどに体がぬれたままだと冷えていくのはこの気化熱の働きです。

湿度が高いと熱を発散しづらい

気温が高い日は、どんどん汗が出てきて体にこもった熱を発散しようとします。湿度が低くからっと晴れた日なら汗もすぐに蒸発して、気化熱で体温が下がります。

しかし湿度が高い場合、汗をかいても蒸発できず、流れ落ちてしまいます。そうするといつまでも熱が発散されず、体内にたまってしまうんです。

汗となって流れてしまった分の水分や塩分を補給する必要があります。しかし湿度が高いと「汗をかいたこと自体に気付いていない」ということもあり、脱水症状になってしまうケースも。

曇っていてじめじめしている日や、家の中にいる時でも熱中症になる人は案外多いんです。

熱中症の予防対策

【屋外】屋外にいる時は直射日光を避けるために日陰を選んで活動しましょう。帽子をかぶったり、日傘を使ったりするのも効果的。

例え日陰でも、湿度が高くてじめじめしていたり、風通しが悪く空気がこもっているような場所は体にこもった熱を発散しづらくなっています。

こまめに水分補給できるようペットボトルなどを携帯すると便利です。特に長時間の運動をする際には、水分だけでなく汗で失ったナトリウムを補う必要があるので、経口補水液がおすすめです。

「これくらいの暑さは我慢できる」と無理せず、エアコンと扇風機を併用して室温28度前後に保つようにします。

発症した時の応急処置

もしも熱中症を発症してしまった場合は以下の対策を取りましょう。

① まず、涼しい場所や日陰に患者を移動させます。動かすのが難しい場合、大きめのタオルなどで日よけをして直射日光が当たらないようにします。

② 衣服をゆるめて、保冷剤や濡れタオルで体を冷やします。冷やす場所は首や脇の下、足の付け根など大きい血管が通っている場所が効果的。皮膚に水をかけてあおぐことでもクールダウンできます。

③ 水分や経口補水液を飲ませます。自力で飲めなかったりむせてしまう場合は窒息の可能性があるので無理をせず、すぐに119番通報をしてください。

意識がなかったりもうろうとしている場合も救急車を要請しましょう。救急車の到着を待っている間も処置を続けることで重症化を防げます。

子どもは熱中症になりやすい

体温調整機能が未熟な乳幼児や、暑さを感じづらくなっている高齢者は特に熱中症になりやすいので「先回りの対策」が必要です。

子どもの場合は、身長が低いのでアスファルトの照り返しなどの熱を受けやすくなります。体が小さく脱水を起こしやすいことに加え、暑さや不調をうまく言葉や行動で伝えられない時もあります。

周りの大人が様子をよく見て定期的に休憩をとらせたり、水分補給をさせたりと十分に注意を払ってあげましょう。

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