脳動脈瘤の治療体験②術後はトラブルも…手術前後の詳細な流れ

私は約3か月前に未破裂脳動脈瘤のコイル塞栓術を受けました。手術に関わりどんな検査をしたか、手術当日はどんな流れで進んでいったか、術後にどんな処置を受けたか…など詳細をダイジェストでつづりました。

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手術前後の流れ

手術4日前 入院前のPCR検査と血液サラサラ薬(バイアスピリン)を処方。入院予定の患者は全員PCR検査を実施していた。

手術2日前 午前10時に入院。四人部屋の大部屋。入院着に着替えMRI検査、CT検査、レントゲン検査。

手術1日前 呼吸機能、心電図の検査。麻酔科医師の問診。前日夜8時から絶食。

手術当日 朝7時に血液サラサラ薬を飲むときだけ水を飲んで、以降絶飲。午前9時に手術着に着替えてストレッチャーで大部屋から手術室に移動。エレベーターを待つ間、夫と1分間だけ会話。「行ってくるよ~」と手を振る。

9:15 手術室に到着。左腕の静脈に点滴をされる。周りには医師や看護師5人。「静脈から麻酔入れますよ」と言われる。左腕がとても冷たくなり、薬剤が入ってきているのを実感。次第に頭がぼーっとしてきて意識消失。

いよいよ手術実施!

手術直後は…やはりしんどい!

14:35 麻酔から徐々に覚醒。「手術うまくいきましたよ」という声が聞こえ安心。右足の付け根に何か管状のものが刺さっている。

左手首の動脈に血圧計測用の針が刺さっていて、痛くはないがとても気になる。

導尿カテーテルが違和感があり、足を動かしづらい。人工呼吸器が入っていたからのどがとても痛く痰が出る。水が飲みたくて看護師さんに聞くと、「明日の朝まで絶飲です」と言われて絶望を覚える!

ベッドがある場所はICUの近くだったみたいで、ついたてがあるだけのオープンスペース。落ち着かない。

17:00 執刀医が様子を見に来る。手術が順調に進んだためにこやか。麻酔がきいている間にMRI検査が行われたらしく、画像を見せてもらう。動脈瘤がきれいに消失していて驚き!

「足を曲げないように」ということを強く言われる。足を曲げると出血してしまい、退院が長引く可能性があるとのこと。

すがる思いで「お水飲んではいけないんですか」と聞くと「飲んでいいですよ。むしろ血栓予防のためたくさん飲んで!」と許可をもらえとてもうれしい。看護師さんが言ってたのはなんだったのよ~と思いつつ、お水をがぶ飲み。

夕飯は絶食だったが、もし配膳されてものどが痛すぎて食べられなかったかも。

21:00 消灯。テレビも電気も消されてしまい暇になる。足を曲げられないので、腰も痛くなってきた。横向きにしてもらったり、体位は変えていてもつらい。麻酔の反動か、全然眠れない。ICUなので深夜までバタバタとしている。とても長い夜だった。

術後1日目6:00 2時間ほどウトウトしたら朝になっていた。電気がつくので本が読めてうれしい。

ICUに一泊する間に東野圭吾の「マスカレード・ホテル」を読破できた!本については医師や看護師さんに「あ、それ面白いですか?今度映画になりますよね~」と意外と話しかけられた(^^)

7:30 1日ぶりの食事。ベッドのリクライニングは15度まで、という指示らしく、ほぼ真横に寝た状態で食事。なんの変哲もない普通食だったが、すごくおいしくて涙が出そうだった。でもめちゃめちゃこぼした(^^;)バイアスピリンは継続して服用。

8:00 医師の回診。10時に病棟の大部屋に戻ることを告げられる。若手医師が鼠径部の管と血圧測定用の針を抜く処置をしてくれた。

バイアスピリンを服薬している影響で血が止まりづらいので、かなり強く圧迫された。後でみたら足も手首も青紫色の内出血になっていたが、痛みはなし。

10:00 CTを撮影し、病室へ戻る。無事に帰ってこれて安堵。スマホを返してもらったので家族や友人にやっと自ら連絡できた。

術後1日目(手術当日は0日)は、リクライニングの角度15度まで、ひざは曲げてはいけない、導尿カテーテルは入ったままでベッド上安静…など不自由はありましたが、のどの痛みもだいぶ治まって体が楽でした。

食事は普通食だけど、寝転んだ状態で食べなくてはいけないので非常に食べづらい。お味噌汁はこぼしそうだったので断念。

頭部の感覚にはまったく違和感なし。昨夜ほとんど寝られなかったこともあり、夜はぐっすりと眠れた。

術後2日目 導尿カテーテルが外れて、車いすでトイレに行けるようになる。素晴らしい解放感!リクライニングの角度30度まで。テレビを見たり、本を読んだりしてある程度自由に時間を過ごせるようになった。

術後3日目 朝から自立歩行が可能になる。数日間、足を伸ばしっぱなしだったのでこわばって痛いが、歩けることがうれしい。座った姿勢も許可が出る。久々にまっすぐに立つとくらくらめまいがする。

術後3日目、急激に体調悪化…

ここにきて、急に体調が崩れる。目の前がちかちかと白くなり頭痛の前兆が起こる。

激痛というわけではないが、ひどい疲れ目の時のように締め付けられるような感覚がしてくる。それに伴い吐き気。頭痛薬と吐き気止めの飲み薬をもらったがすぐに嘔吐してしまう。点滴で薬を投与してもらい、少し落ち着く。

脳血管内の術後には頭痛、吐き気などがよくあるらしいです。ただ通常は手術直後に起こることが多いので、3日目に頭痛が起きたことは心配され、「念のため」とCT検査をしてもらいました。特に問題ないことが分かり一安心。日曜日だったのに迅速な検査や診察などで対応していただきありがたかったです。

この日は気持ち悪くて食事をとれず、夜8時には就寝。

術後4日目 翌日は嘘のように頭痛は治り体調良好!でも昨日のことを教訓に無理しすぎないよう目を休めるためスマホやテレビはほどほどに。のんびりと横になって休みながら過ごす。

この日はMRI検査。画像を見ると変わらずきれいに動脈瘤が消失している。すごいな~。「状態がいいので退院したかったら明日してもいい」と言われて二つ返事で退院が決定!

術後5日目 予定より3日前倒しで退院!徒歩10分の自宅まで歩いて帰宅できた。足の痛みや頭痛もなく、5日前に手術をしたのが本当に信じられない。

退院時の処方で血液サラサラ薬のバイアスピリンを2週間分、鎮痛薬、吐き気止めが渡された。

退院から2週間後。外来で診察してもらい(MRI検査はしなかった)、さらに2か月半のバイアスピリンが処方された。次回は手術から半年後にMRI検査予定で、そこで問題なければ1年後にMRI検査をする予定となっている。

3か月経った現在、おだやかな日々

手術から3カ月経った現在はバイアスピリンも飲み切ってしまい、特に飲んでいる薬はありません。体調はというと…絶好調です!!

術後間もない時期は雨の日、くもりの日に頭痛や疲れ目の症状を感じることがあり、ロキソニンを飲んでいましたが、現在はほとんどありません。

ももの付け根の傷はとてもきれいに治り、言われなければ傷があることもわからないくらいだと思います。

そして精神的に安心して暮らせるようになりました。今まではふと脳動脈瘤のことを思い出しては恐ろしくなる瞬間がありましたが、今は心の底からリラックスして過ごせるようになりました。今後は定期通院の頻度も減らせそうなので、念願のお仕事も始めました!

迷いに迷った手術ですが、受けてよかった・・・!!!

もちろん症状には個人差がありますので、手術を受けることなく脳動脈瘤が破裂することもなく寿命を全うできたらそれが一番素晴らしいことです。

でも今回のカテーテル手術は術後数日で退院できるほど回復が早く、患者にとってはハードルが低い治療法だな~と実感しました。もし日常生活で不安感を持っている方は、思い切って手術を受けるのもひとつの手ではないかと思います。

私の体験談が少しでも参考になれば幸いです(^^)

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