「湿潤療法」で傷を早くきれいに治す!消毒、乾燥はもう非常識?

2018年5月25日

幼児期の子どもがいると切り傷・すり傷は日常茶飯事ですよね。軽い出血を伴う程度の傷は「消毒しないほうがいい」というのは常識になりつつあります。

効果的な方法として、「湿潤療法」というものが注目されています。家庭でも簡単に実行できそうなのでやり方をまとめてみました。

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湿潤療法のコツ3点

湿潤療法のポイントは、自己治癒能力を最大限に活かしていることです。守るべきことは、傷口を「消毒しない」「乾かさない」「水道水で洗う」という3点。これだけで痛みも少なく早く治癒するそうです。すごく簡単ですね。

消毒しない

消毒液は雑菌だけではなく、傷を治す働きをする体の細胞まで壊してしまいます。また、いたるところに存在している雑菌を消毒してもすべて取り除くことは難しく、またすぐに繁殖してしまいます。つまりムダ!それどころか傷口に塩を塗る状態になりかねません。

乾かさない

傷口からは浸出液がしみだしてジュクジュクしてきます。この浸出液が傷口を覆うことで、傷を治す細胞が活発に働きます。乾燥しているとこの細胞たちは死んでしまうので、常にジュクジュクした状態を保ったほうがいいのです。ガーゼなどを傷口に貼ると、浸出液を吸収して治りが遅くなってしまうのでやめましょう。

水道水で洗う

まず傷口を押さえるなどして止血したら、流水で異物や汚れを洗い流します。せっけんなどは使わないでください。そして優しく水分をふき取ります。これで湿潤療法の準備はOKです。

「ラップを巻く」は賛否両論

傷口を洗浄した後は、患部の乾燥を防ぐために「ワセリンを塗りラップで覆いましょう」と一般的には言われていますが…我が家ではラップの使用はNGです!

夫(外科医)によると、ラップを使って覆う方法は効果的と言われていますが、医療関係者の中には推奨しない人もいるんだとか。衛生的な観点から見て、ラップ自体に雑菌がついている可能性があるそうです。

また、ラップは水蒸気なども通さないので、傷口が必要以上に湿度高くなりすぎて雑菌が繁殖する恐れもあります。

外科医の意見
気になる時はワセリンだけにする、もしくは水道水で洗うだけで十分です

ワセリンを塗ってそのままにしていると触った物がベタベタしてしまうので「どうしても何かで傷口を覆いたい!」という方もいると思います。専用の絆創膏も販売されているみたいなので、使ってみてくださいね。

傷口が悪化した場合はすぐ病院へ

血が止まらないほど大きく深い傷の場合は自己治療で済ませてはいけません。

また浸出液は通常は透明ですが、化膿した時の膿は黄色・黄緑色などをしていて、患部に痛みや熱を感じることもあります。処置が必要になる場合もあるので、傷口が悪化してきた場合は医療機関を受診しましょう。

傷付けた原因がさびた釘だったりすると、破傷風の危険性もありますのでこちらもすぐに医療機関を受診しましょう。

ちなみに知人が包丁で指を切った時に湿潤療法を実施したところ、5日ほどで跡も残らずきれいに完治しました。「でも傷口がすごく臭くなったんだよ…」と一言。やはり常に皮膚が浸出液で湿ってふやけた状態になるため、独特のにおいがするみたいです。

そんなデメリットも少しあります。しかし湿潤療法の何よりのメリットだと思うのが、かさぶたができないので「傷跡が残りづらい」ということ!

私が子どものころは傷口をすぐに消毒して、ガーゼを貼って乾燥させることが常識でした。消毒液がしみるわ、引っ付いたガーゼを剥がすのがめちゃくちゃ痛いわ、かさぶたを剥がすのも痛いわで大変だったのですが、あれは患部を再度傷付けていたことになるみたいです。

いま考えると怖いですね。医学の常識というのはどんどんアップデートされていきます。患者側もしっかりアンテナを張って、波に乗り遅れないようにしましょう!

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