固形せっけんが院内感染の原因に!一般家庭で衛生的に使うコツ
数年前、私は家庭での洗顔や手洗いに固形せっけんをメインで使っていました。そんな私に外科医の夫が一言。
昔は学校や公共施設でも固形せっけんがよく置かれていましたよね。そういえば、最近は見掛けなくなったような…
夫から聞いた「固形せっけんをめぐる医療現場での衛生の考え方」が興味深かったのでまとめてみました!
耐性菌が院内で大流行…なぜ?
数十年前の昔、ある病院内で耐性菌が流行してしまったそうです。
耐性菌とは抗生物質などの抗菌剤に対して抵抗力が高くなってしまうように変異した菌のこと。
入院患者の中には病気や高齢のため免疫が弱っている人もいるので、耐性菌が体内に入り込み炎症を起こすと重症化してしまう場合があります。
さらに抗生物質が効かないので治療する術がなくなってしまう恐れも!しかもなぜ流行しているのか、感染源が分からない。
「とにかく手洗いをしよう」と医師や看護師たちは感染予防に努めました。固形せっけんを使って…
固形せっけんが細菌の温床に
そう、実は固形せっけんが感染の媒介となっていたのです!
せっけんには汚れを落とす効果はありますが、殺菌効果はありません。
表面は常に湿っていますし、細菌のエサとなる皮膚のタンパク質なども付着していて繁殖するには絶好の居場所!
表面や石けん置きに耐性菌が大量に増殖して、手洗いをするたびに人の手につき、それがまた別の人に移って…というように院内で流行していたのでした。
多くの病院が固形せっけん使用禁止
この事例は現在も医療従事者の間で教訓となっているそうです。
現在ではほとんどの医療機関で衛生面の管理に関するマニュアルを設けており、その多くが固形せっけんの使用を禁止しています。
夫の職場では「手をかざすと自動で噴出される液体せっけんが最も衛生的」とされ、実際に設置されています。
一般家庭では気にしなくてもOK
一般家庭ではどうでしょうか?答えは「固形せっけんを使ってOK」!
実は耐性菌は病原性(感染症を起こす能力)は弱く、免疫力がある人に対しては何ら害を及ぼしません。
衛生的に使うコツ2点
それでも雑菌が繁殖しているというのはいい気がしませんよね。できるだけ衛生的に固形せっけんを使うために以下の2点に気を付けましょう。
乾燥させる
細菌は湿った環境が大好きです。
使用後は一度しっかりと表面を洗い流した後、キッチンペーパーやタオルなどで水気を吸い取り、乾燥させるようにします。
浴室に置きっぱなしにするとずっと湿った状態が続いてしまうので避けましょう。
低温で保管する
ある程度乾燥したら冷蔵庫に保管するのがおすすめ。温度が低いと細菌は繁殖のスピードが落ちます。
固形せっけんには洗浄力が強い、肌に優しい、コストが安い、見ためがかわいい物を選べる…などメリットがたくさんあります。
衛生的に使うコツを習慣づけて、気持ちよく使っていきましょう。
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