新薬「ゾフルーザ」に耐性ウイルス。インフル治療薬はどれがベスト?
今年はインフルエンザが爆発的に流行しています。1999年度の統計開始以降、患者数が最多になったそうです(><)
そんな中、インフルエンザの新しい治療薬「ゾフルーザ」に「耐性ウイルスがみつかった」とニュースになっています。
塩野義製薬が昨年3月に発売したばかりで、その手軽さから医療現場でも使われる機会が増えていたそうです。
これを機に使用が控えられる風潮になるかもしれませんが、個人的には使い勝手が良くメリットも多い薬だと思っているので残念です。
これまで使われていた薬と比較して何が違うの?
耐性ウイルスができるとどうなるの?
そして「結局どのインフルエンザ治療薬が一番いいの?」という見解を外科医の夫に聞いてみました。
インフルエンザ治療薬は患者自身で何を使うか選ぶことができます。それぞれの薬のメリットやデメリットをきちんと知りましょう!
インフルエンザ治療薬の種類
主なインフルエンザ治療薬は何種類かあり、接種方法も違います。
- 内服薬…タミフル、ゾフルーザ
- 吸入薬…リレンザ、イナビル
あまり聞きなれない「吸入薬」は、粉末を吸い込んで気道や肺から接種する形式の薬です。
ゾフルーザのメリット
ゾフルーザの一番のメリットは「一回の内服でOK」というところ。即効性があり、飲み忘れの心配もありません。
同じ内服薬であるタミフルは1日2回×5日間=計10回の内服が必要になります。
吸入薬のリレンザも同じく1日2回×5日間=計10回吸入しなければなりません。
イナビルは一回で済む吸入薬です。しかし粉末を上手に吸い込むことは案外難しく、むせたりすると十分な効果が得られないことがあります。
ゾフルーザが人気が出た一番の理由は「内服一回のみ」という手軽さにあると思います。
さらにゾフルーザは従来薬に比べてウイルスを殺す力が強く、二次感染防止にも効果的であると考えられていました。
夫も今シーズンは外来診察に訪れたインフルエンザ患者に対して、ゾフルーザを主に処方していました。というか、病院全体の方針でゾフルーザを薦めていたらしく。全国的に人気で品薄になっていたそうです。
耐性ウイルスが見つかった?
しかし1月30日のニュースで「小学生2人からゾフルーザの耐性ウイルスが見つかった」と報道されました。
1回飲むだけで効き目があるインフルエンザ新薬「ゾフルーザ」について、厚生労働省は「ゾフルーザを投与した小学生2人から耐性変異ウィルスが検出された」と発表した。耐性ウィルスによって、薬が効きにくくなるおそれがある。
池袋大谷クリニックの大谷義夫院長は「耐性ウィルスがある人は、症状が治まるのに通常より11時間遅れるというデータがあります」と話す。子どもの場合は30時間遅れてしまうという。
出典:ライブドアニュース
実は臨床試験の段階で耐性ウイルスの出現率の高さが指摘されており、危険視する医師もいたんだとか。
臨床試験では「子どもの23.3%、大人の9.7%に耐性ウイルスが発現」というデータもあるそうです。子どもの発現率が高いこともあり、日本小児科学会では使用を推奨していません。
しかし、日本感染症学会インフルエンザ委員会の委員でもある、けいゆう病院(横浜市)の小児科医・菅谷憲夫さんは「なるべく使わない方がいい」と指摘する。理由は、耐性ウイルスが出現する頻度が高いからだ。臨床試験(主にA香港型ウイルス)では、子どもの23・3%、大人の9・7%に出現した。耐性になれば症状が長引き、耐性ウイルスが周囲に広まる恐れもある。一方、従来の薬では最近、耐性ウイルスがほとんど出ておらず、菅谷さんは「タミフルがあれば、そちらを使うべきだ」と話す。
出典:ヨミドクター
ゾフルーザを服薬したことで体内に耐性ウイルスができた場合、症状が治まるのに通常より長い時間がかかる可能性があります。半日~丸1日以上長引くとも言われています。
耐性ウイルスが周囲に二次感染して広まってしまうリスクも考えられます。
副反応もまだ未知数
薬の副反応も新薬だとなおさら未知数です。いまは発見されていない重大な副反応が起きる可能性も考慮しなければなりません。
そして「1回の内服で済む」ほどに効き目が強いということは、そのぶん副反応も強い恐れがあります。
どの薬を使う?夫の見解
ゾフルーザには耐性菌発現のデメリットがありますが、逆に言うと「8割の子どもと9割の大人には効果的」という見方ができます。
「結局のところ、どの治療薬を選べばいいの!?」という疑問を夫にぶつけてみたところ…
吸入薬は上手に吸い込むのが意外と難しく、内服薬のほうが手軽。長年使われている内服薬のタミフルはなんだかんだで安心です。
「異常行動の副作用が出る」と一時は盛んに報道されていたけど因果関係は不明で、インフルエンザの高熱による症状とする見方が強くなっています。
治療薬は自分で希望できる
インフルエンザと診断されたとき、患者自身で「この治療薬にしたい」と希望することは問題ありません。医師に相談してみましょう。
ただ、個人医院などでは一つの治療薬しか用意しておらず選択できない場合もあります。
また、医師も患者それぞれの症状に合わせた薬を提案してくれる時があり、必ずしも希望が通らない時も。その時は納得いくまで医師に疑問をぶつけてみましょう。
実は今週、夫が高熱、下痢、頭痛などの症状が出て病院を受診。迅速検査では陰性だったのですが、「みなしインフルエンザ」と診断されました。
医師に「薬、何にします?」と聞かれたので「タミフルで!」と答え処方してもらったそうです。
症状は落ち着いてきましたが、まだ二次感染リスクがある期間(発症後5日もしくは解熱後48時間)なので、家庭内感染防止に努めたいと思いますm(_ _)m
インフルエンザの家庭内感染予防法をまとめた記事はこちら。
インフルエンザの迅速検査は「陰性」でも実際は陽性の時があるので注意してくださいね。
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