鼻にスプレーで予防接種!「フルミスト」の効果、安全性、未承認の理由
先日、2歳の息子のインフルエンザ予防接種を受けてきました。
今期は早めに予約をしたので2回受けることができましたが、例年通りワクチン不足みたいですね。
我が家のかかりつけ小児科でも既に予防接種の予約を締め切ってしまったそうです。もし受けたい方がいましたら、ぜひお早めに予約をしてくださいね!
さて、小児科に気になる貼り紙を発見しました。
えっ!鼻からワクチンを入れるってこと?そんなのあるの?
調べてみると、海外では既に主流のワクチンとなっていて、日本国内でも数年前からじわじわと広がっているそうです。
「注射で子どもをギャンギャン泣かせるよりずっといいじゃないか!」と思ったのですが、日本ではまだ国の認可が下りていないそう。
何かデメリットや安全性に問題があるのか?従来の注射型と比べて効果はどうなのか?気になる存在「フルミスト」についてリサーチ。
そして外科医の夫に「フルミスト使用をどう考えるのか」も聞いてみました。
フルミストってなに?
フルミストは鼻の中にスプレーのように噴霧するタイプのインフルエンザワクチンです。弱毒化したウイルスを体内に入れて、疑似感染状態にすることで免疫を得ます。
フルミストは弱毒化したウイルスを生きたまま活用する「生ワクチン」です。一方、従来の注射型は病原体を殺菌している「不活化ワクチン」。
一般的には不活化ワクチンより生ワクチンのほうが免疫を得る効果が高いと言われています。
スプレーだから痛くない!
フルミストのメリットはさまざまありますが、一番は「痛くないこと」ではないでしょうか。
鼻の中にシュッとスプレーを吹き付けるだけで終了です。
注射型の予防接種で子どもが抑えこまれながらギャンギャン泣いている光景は、親としては心が折れそうになります(T△T)
もし子どもがストレスなく受けてくれるならそれに越したことはない!
メリットを箇条書きでまとめました。
- 針で刺す痛みがない
- 生ワクチンなので効力が強い
- 効果が長続きする(1年継続するというデータもあり)
- 鼻粘膜に免疫を作るので、ウイルスの侵入自体を防げる(注射型ワクチンは体内への侵入を防げない)
- ほとんどのケースで一回接種で済む
未承認なのは安全性に問題あり?
一方で、デメリットもあります。
フルミストは国が未承認のワクチンで、それぞれの医療機関が個人的に入荷している形になり、基本的にすべて自己責任での接種となります。
万が一、健康被害があったとしても健康被害救済制度の補償対象になりません。
「未承認なのは何か安全性に問題があるのでは?」と思われるかもしれませんが、そういうわけではありません。
米国では2003年に国により認可され、ヨーロッパでも2011年から認可されています。日本でも2016年から認可申請はされているそうです。
しかし新しい薬であるがゆえにデータが少ないのか、効果については海外でも混乱が生じています。
2016年には米国が「フルミストに効果が薄いので利用を控えるべき」と声明を発表しました。しかし、次シーズンには一転して再び使用を推奨しています。
日本はそういった海外の世論を注視している段階なのかもしれないですね。
副反応、妊婦は不可…デメリットも
ほかにも生ワクチンで効果が高い分、副反応が出やすい、妊婦は接種できないなどのデメリットがあります。箇条書きでまとめました。
- 日本では未承認の医薬品なので補償対象にならない
- 発熱や鼻水など副反応が出やすい(約50%に副反応が出るというデータも)
- 流通しているワクチン数が少なく入手しづらい
- 妊婦や授乳中の女性は接種できない(注射型ワクチンは妊婦でも可能)
- 鼻炎の持病があると接種できない
- 子どもが接種後に泣きじゃくったりすると効果が薄くなる
費用はどれくらいかかる?
フルミストの接種費用は医療機関によってばらつきがありますが、7000~1万円程度です。
我が家かかりつけの小児科では、注射型ワクチンは1回あたり4500円。2歳息子は4500円×2回=9000円なので、価格はほとんど変わらないようです。
ちなみにフルミストも注射型ワクチンも、任意の予防接種は保険がきかないのですべて自己負担になります。
外科医の夫、フルミストを考察
外科医の夫の個人的な見解はこうです↓
補償制度が適用されないのはリスクを感じるそう。何らかの要因で予防接種が原因の健康被害が起こる可能性はわずかながらあるらしいです。
「息子が注射を嫌って泣くのがストレスなんだよね…」と伝えると
たしかにその通りです…親が気にしすぎなのかもなぁ(^^;)
フルミスト接種は自己判断で
メリットとデメリットを踏まえた上で、フルミストを接種するかどうかはよく考えて決めましょう。
フルミストは人気があり今シーズンはほとんどの医療機関が予約でいっぱいだそうです!興味のある方、来シーズンはお早めに予約してくださいね。
ちなみにインフルエンザ検査が「陰性」だったとしても周りに感染を広げてしまう恐れがあるんです。検査の信頼性についての記事もぜひ読んでくださいね!
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