子どものけいれんは救急車を呼ぶべき?観察のポイントとNG行為

2018年5月25日

神経系が未発達の子どもが「けいれん」を起こすことは珍しいことではありません。

とはいえ、いざ目の前で子どもが突然倒れたり、体を震わせたりしていたらパニックになってしまいますよね。

子どものけいれんには危険な物とそうでない物があります。

救急車を呼んだほうがいいのか、様子を見ていても大丈夫なのか。症状をしっかり確認して適切な対応をとりましょう。

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けいれんってどんな症状?

けいれんは子どもの場合には特に「ひきつけ」とも呼ばれます。以下のような症状があらわれます。

  • 全身硬直
  • 小刻みな震え
  • 手足をバタバタさせる
  • 意識がもうろうとする
  • 口元から泡を吹く
  • 白目を向く

どうして起こる?

けいれんが起こる原因は、子どもの神経や身体の機能がまだ未発達なことがあります。

心身への刺激が引き金となり、脳の神経細胞が過剰反応してしまい、意思とは無関係に身体に異常な反応があらわれると言われています。

子どものけいれんが起きやすい年齢は6カ月~5歳くらいまでです。6歳以降は神経系が完成に近付くため起きづらくなります。

熱、ウイルス感染、激しく泣いたことなどの刺激がけいれんを引き起こします。

多いパターン①熱性けいれん

子どもがいる家庭なら一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。高熱がきっかけとなり震えや意識喪失などの症状が出ます。

6歳未満の10人に1人が経験する、と言われているのでそう珍しい症状ではないようです。

熱が出始めてから24時間以内に起こることが多く、けいれんの発作は5分以内の短時間でおさまります。

熱性けいれんを発症しやすい体質は遺伝すると考えられているので、家族に既往歴がある人がいるなら特に心構えをしましょう。

多いパターン②てんかん

熱がないのに何度も繰り返し起こる時はてんかんの可能性があります。

脳波検査などで調べることができ、ほとんどの場合は抗てんかん薬の投与で症状を抑えることができます。

実際に起こった時の対処法

まずは周りにいる大人が落ち着くことが重要です。ほとんどの場合は熱性けいれんで、じきにおさまり病院に行く必要もないので、冷静に様子を観察してください。以下の手順を実行しましょう。

・周囲に何もない平らなところに寝かせる(もしくは物をどかす)
・首やお腹周りの衣服をゆるめる
・嘔吐した場合は顔を横に向けてのどがつまらないようにする

おすすめなのが動画を撮影すること!医療機関で症状を確認する際に役立ちます。

動画撮影が難しければけいれんの持続時間と左右差(けいれんが対称に起こっているか)をしっかりチェックしておきましょう。

やりがちなNG行為

  • 揺さぶる
  • 大声で呼び掛ける
  • 押さえつける
  • 布団をかける
  • 顔を叩く
  • 水を飲ませる

これらの行為は焦るとついやってしまいがちな対処法ですが、症状を悪化させることもあるので絶対にやめましょう。

昔は「けいれんしたら舌をかまないよう割り箸をかませる」という対処法が浸透していたそうです。

しかしこれはもちろんNG!舌をかむことはほとんどありませんし、のどに刺さる可能性もあり非常に危険です。

こんな症状の時は病院へ

熱性けいれんの場合は5分ほどで症状がおさまり、異常がなければ医療機関を受診する必要はありません。

しかし以下のような症状がある場合は日本脳炎など感染症の恐れもあります。医療機関を受診したり、場合によっては119番通報したほうがいいようです。

  • 5分以上続く
  • けいれんが左右対称でない
  • けいれんがおさまっても意識が戻らない

迷った時は電話相談を活用

私の周囲でも「子どもがけいれんして救急車を呼んだ」という話はたびたび聞かれます。まずは症状を冷静に観察して、それから危険かどうかを判断しましょう。

もし休日・夜間に受診するか判断に迷う時は「小児救急でんわ相談」(♯8000)を活用しましょう!

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