授乳中の「キャベツ湿布」は赤ちゃんが危険?リステリア食中毒を知ろう
「キャベツ湿布」って聞いたことがありますか?子育てをしたことがあるお母さんなら耳にしたことがあるのではないでしょうか。
授乳中におっぱいが詰まってしまった時、乳腺炎になるのをふせぐためにキャベツの葉を湿布代わりにして冷やすそうです。
私自身、授乳中は乳腺が詰まって熱を持ってしまい、乳腺炎になりかけたことが何度かあり悩みのタネでした。
そんな時に助産師さんや先輩ママに薦められた「キャベツ湿布」。私の母世代も知っていたので、昔から伝わる民間療法なんですね。
しかし最近になって、テレビ番組で「赤ちゃんがキャベツのリステリア菌に感染する危険がある」と言われているではありませんか!
果たしてキャベツ湿布は危険なのか?という疑問を調べてみました。
キャベツ湿布の有効性は?
授乳中はさまざまな薬の使用が制限されてしまいます。使える薬と使えない薬があるので、市販の痛み止めや解熱剤は安易に使えないですし、薬用湿布も薬品の成分が母乳に移行してしまう恐れがあります。
乳腺が詰まると、ほんの少し動くだけで激痛。ひどいとあくびをしただけでも激痛…もう一刻も早く何とかしたいのに薬を使えないのはつらいんですよね(T T)
そこで登場するのがキャベツ湿布。実際のところは薬品の効果はなく、医学的根拠は実証できていないそうです。
でも助産師や看護師の中にも薦めている方がいますし、「ものすごく効いた!」という方も会ったことがあるので、あながち迷信とは言えなさそうです。
「熱を取り除く」という意味ではひんやりして気持ちよさそうです。サイズも乳房全体を包み込むのに十分!
こういった民間療法は医学的効果だけではなく、リラックスできるなど心理効果もあります。長年語り継がれているからには、それなりに多くの女性に支持されてきた方法なのだと思います。
リステリア菌ってなに?
そうやって長年愛されてきたキャベツ湿布。近年、問題視されているのは「リステリア菌」の存在です。
リステリア菌は、自然界の水や土壌、動物などに広く分布しています。そのため野菜、魚介類、乳製品などから検出されることは珍しくありません。
リステリア菌による食中毒が起きると症状が重く、髄膜炎や肺血症などで死亡することも。アメリカでは毎年約500人が死亡していると推定されるそうです。
アメリカ合衆国では、毎年約2500人が重症のリステリア症(Listeriosis)となり、そのうち、約500人が死亡していると推定されています。アメリカ合衆国では、毎年約5000人が食物由来の感染症で死亡していると推定されていますので、そのうち約10%がリステリア症によることになります
出典:横浜市衛生研究所
生キャベツが原因の食中毒例も
そして妊婦さんが感染すると流産や死産の危険性があるそうです。妊娠中は免疫力が落ちるので感染症にかかりやすくなっています。
妊娠中に避けるべき食品として「加熱処理していないチーズ」「生ハム」「刺身」「スモークサーモン」などが挙げられるのは、リステリア菌食中毒を防ぐ意味もあります。
加熱処理するとリステリア菌は死滅するので問題ありません。
日本国内でリステリア菌食中毒の発生事例はほとんどありませんが、海外ではサラダのキャベツが原因で食中毒の事例が発生しています。
低温にも耐えられる菌なので、冷蔵庫に入れても死滅しないそうです。
免疫系が未熟な赤ちゃんが感染すると…
万が一、キャベツ湿布にリステリア菌が増殖していて、授乳を通じて赤ちゃんの口に入ってしまったら…
赤ちゃんは大人よりも免疫機能が未熟で食中毒にかかりやすくなっています。リステリア菌はとても強力なので、体の小さい赤ちゃんは重症化して命が脅かされてしまうかもしれません。
近年はそのような危険性からキャベツ湿布に注意を呼び掛ける声が聞かれるようになったのです。
【体験談】ひんやり気持ちいいけど…
私も一度だけキャベツ湿布を試したことがあります。真夜中、乳腺が詰まっておっぱい全体がまるで石のようにガチガチに固くなり熱を持ってしまいました。
頼みの綱である息子は熟睡していて起きてくれません。手で何とか母乳を押し出そうとしてもどうにもならず、悪化する一方…
わらにもすがる思いで取り出したキャベツ!冷蔵庫には入れず、室温状態のものをちぎって使いました。乳房全体を包むようにすると、ひんやりしてちょっと気持ちいい。
詰まりが解消されるわけではないけど、何もやらないよりはまし!キャベツの匂いで何となく気も紛れました。
そのうち息子が起きてくれてたっぷり授乳をしたので、ほどなく詰まりは取れました。
キャベツ湿布が一度きりになったのは、キャベツを胸に当てる光景のシュールさと、朝見た時にしなびた状態になったキャベツを「もったいない…」と思ったからです(^^;)
今考えると、リステリア菌のことを知らなかったとはいえ怖い!息子に影響がなくて本当に良かったです。
授乳中のお母さん、頑張れ!
万が一のことを考えると、やはりキャベツ湿布は避けるべきだと思います。
胸を冷やすための他の方法では、タオルを巻いた保冷剤を当てるのが効果的でした。ネットで見かけた「おむつを水に濡らして胸に当てる」という方法も気になります。
授乳中のお母さん!思うように寝れず、体はいつもヘトヘトでしんどいですよね。そんな日々もいつか必ず終わり朝までぐっすり眠れる時が来ます。
これから寒くなるので体調に気を付けて、乳腺炎にならないようにしっかり休養と食事をとってくださいね!
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