飲んだもの次第で対応が変わる!子どもが特に誤飲しやすい5点と処置法
子どもがいる家庭によくあるトラブルのひとつが「誤飲」です。誤飲したものによっては命に関わる重大な事故につながりかねません。
何を飲んだかによって対処法がかなり違っています。今回は「最低限の処置法」と「特に誤飲しやすい物」に絞って情報をまとめました。
とっさの時に混乱しないよう事前にイメージトレーニングをしておきましょう。
誤飲の危険性は「窒息」と「中毒」
異物を飲み込んだ時に心配されることは「窒息」もしくは「中毒」です。それぞれの対応をご紹介します。
【窒息】すぐに吐き出させる
窒息の場合は速やかに吐き出させなくては命が危険です。救急車を呼ぶ時は固定電話の子機や携帯電話をハンズフリーにして、処置をしながら電話するようにしましょう。
「さかさまにして背中を叩いて吐き出させる」という対処法を聞いたことはないでしょうか。
これは子どもにとって負担が大きい上、処置をする側も大変な力がいりますのでとっさの時には実行が難しいかも。
のちほど紹介する2つの方法がおすすめです。
効果的に吐き出させる方法2つ
まず、口をのぞいてみます。手で取れそうな位置に見えている場合は指で慎重に取り出します。しかし喉の中を傷付ける恐れがある時は絶対に無理はしないでください。
自分から吐き出させる効果的な方法は2つあります。
背部叩打(こうだ)法…うつぶせや四つん這いの状態で上半身をやや低くさせます。下あごを片手で支えて、もう片方の手で肩甲骨の間を強くたたきます。
胸部突き上げ法…それでも吐き出せない場合、1歳未満の乳児は仰向けにして、胸骨を2本指で圧迫します。大人でいうみぞおちのあたりです。1歳以上は、後ろから脇の下に手をいれて抱き上げるようにしてみぞおちのあたりを圧迫します。
子どもの口の中にはトイレットペーパーの芯くらいの直径の物は入ってしまうそうです。スーパーボール、ミニトマト、ピーナッツなど思わぬものが詰まらせる原因になります。
もし心停止の疑いや呼吸の異常を感じたらすぐに心肺蘇生法を実施しましょう。
【中毒】何を飲んだかで対応が変わる
中毒の恐れがあるケースでは、何を飲んだかによって対応が変わります。吐かせるべきか、追加で水や牛乳を飲ませるべきか。少し混乱してしまいますよね。
特に誤飲しやすい物を5つまとめましたので、最低限これだけでも覚えておきましょう。私は記号化して覚えるようにしていますので、もし良かったら参考にしてください。
いずれも応急処置後、すぐに医療機関を受診することをおすすめします。もしけいれん・意識障害・呼吸障害などの症状が出た場合は救急車を手配しましょう。
ただし、無理に吐かせると嘔吐物が気管に入り窒息する恐れがあります。無理だと判断した場合や自信がない場合は吐かせず、すぐに医療機関を受診したほうが良いケースが多いです。
特に6カ月未満の赤ちゃんの場合は吐かせたりせず、いそいで医療機関を受診しましょう。
医薬品
まずは医薬品。胃薬や軟膏などは影響が少ないのですが、鎮痛剤・降圧剤・向精神薬など(ハイリスク薬と言います)は要注意です。受診の際には薬の内容が分かる容器や使用方法の紙などを持参しましょう。
対処法は「異物を吐かせる・水や牛乳を飲ませる」(○・○と記号化します)
タバコ
子どもの誤飲件数がもっとも多いのがタバコ。毒性も高いので注意が必要です。
タバコそのものを食べる場合は2センチ程度の長さを食べると危険…とされていますが、タバコの葉は苦い味がするらしく、たいていはそんなに量を食べる前に吐き出してしまいます。
もっと気を付けるべきなのは「タバコが溶け出した液体」。例えば灰皿の水や、缶飲料を灰皿に代わりに使っていた場合に子どもが飲んでしまうことがあります。
ニコチンは水に溶けだすと体に吸収されやすくなっているのでさらに危険!
対処法は「異物を吐かせる・追加で飲ませない」(「○・×」)
酸性・アルカリ性洗剤・漂白剤
トイレやお風呂の洗剤、漂白剤は誤飲すると毒性が強いです。台所洗剤は中性なので、少量の場合はあまり影響がありません。
吐かせると皮膚や粘膜を再度傷つける恐れがあるので、そのままうがいをして、水か牛乳を飲ませます。多量に飲ませると嘔吐するリスクがあるので、数口飲むくらいで十分です。
対処法は「異物を吐かせない・水や牛乳を飲ませる」(×・○)
マニキュア・除光液
お母さんが持っている化粧品関連の中で一番毒性が高く、件数も多いそうです。独特のにおいは揮発ガスですが、嘔吐物が誤って肺に入ると危険なので吐かせないでください。容器を持参して受診しましょう。
対処法は「異物を吐かせない・追加で飲ませない」(×・×)
ボタン電池
これは中毒とは少し違うのですが、ボタン電池の成分が漏れ出すと化学熱傷や消化管に穴があく恐れがあり大変危険です。おもちゃにもよく使われているので、電池ケースが緩んであいてしまい、子どもが飲み込むケースが多発しています。
対処法は「異物を吐かせない・追加で飲ませない」(×・×)
一覧にすると以下の通りです。これくらいなら何とか覚えられそうな気がしませんか?
医薬品 ○ ○
タバコ ○ ×
酸性・アルカリ性洗剤・漂白剤 × ○
マニキュア・除光液、ボタン電池 × ×
迷った時は「中毒110番」
私は母子手帳をもらった時に同封されていた誤飲対処法の一覧表を壁に貼っています。また、特に誤飲しやすい物や、外出先でも起こりそうなケースについてはスマホのメモ機能で対処法を保存するようにしています。
もしとっさの対応に迷った場合は「中毒110番」という24時間対応のありがたい電話サービスがあります。
もしもの時のために、電話帳に登録しておいてはいかがでしょうか。私も息子がお尻かぶれ用の軟膏をなめてしまった時に利用して、とても助かりました。
焦った時ほど努めて冷静になることが大切。「何をどれくらいの量飲んだか」をできるだけ正確に伝えましょう。
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