「傷口より心臓側を縛って止血」は危険!出血時の効果的な対処法
けがをしている傷口の近くをタオルなどで縛り止血…そんな映画やドラマのワンシーンを見たことはないでしょうか。
私は最近まで、この止血方法が正しいと思っていました。しかし、この方法は安易に実行すると危険な事態を招く恐れがあるそうです!
今回は万が一に備えて正しい止血方法を調べてみました。
基本は「直接圧迫止血法」
止血方法の基本は患部にガーゼやタオルを当て、直接手で押さえる「直接圧迫止血法」です。ほとんどの出血がこれで効果的に対応できるそうです。
しかし、動脈を切ってしまうとピューピューと勢いよく出血して直接圧迫止血法では対応しきれない場合があります。そんな時の最終手段の止血方法となるのが冒頭で紹介した「止血帯法」です。
止血帯法では、患部の心臓側を縛って止血します。手足が切断されたり、命に関わるほどの大出血をしている場合にのみ実行します。
なぜかというと、動脈を止めるほどきつく縛ってしまうとその先の組織が壊死してしまったり、神経を損傷して重大な後遺症を引き起こしてしまうから。
むしろ止血したことで予後に悪影響を与えてしまうこともあるのです。
効果的な止血のコツ
基本的にまずは直接圧迫止血法を実行します。清潔なガーゼやタオルを患部に当てて、グッと強く圧迫します。
血液を介してうつる病気もあるので、ビニール手袋をはめたりビニール袋を手にかぶせたりして傷口に直接触れないようにしましょう。
可能なら傷口は心臓より高くした状態をキープします。抑え続けられない場合は圧迫するようにタオルなどを巻くのも効果的です。強く縛るのではなく、抑えるように巻き付けましょう。
上記の方法でも止血ができない場合は止血帯法を実行します。しかし、動脈が止まるほど強く縛ることは慣れた人でないと難しいそうです。
なので大出血の場合は応急処置で直接圧迫止血を試みながら、迅速に119番通報することをおすすめします。
中途半端な「緩縛り」は危険
一番まずいのは中途半端な強さで縛ってしまうこと。動脈からの出血を止められないまま、血を心臓に戻す静脈が止まってしまうと、かえって出血量が増えてしまうそうです。
外科医の夫はけがで来院した患者さんの対応をすることがあるのですが、止血帯法を行って来院する人は驚くほど多いそうです。
しかもその多くが緩く縛ってしまっているんだとか!これはとても危険なので絶対にやめましょう。
止血帯法が広く知られているのは映画などのシーンが印象的だからかもしれません。日常生活では直接圧迫止血を心掛けて、すぐに医療機関を受診しましょう。
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